Tori Amos from the choirgirl hotel

アメリカ合州国はノース・キャロライナ州出身の女性シンガーTori Amosの第4作。ピアノ+ベース+ドラム+ヴォーカルという編成によるソフトかつシンプルな構成の曲は極端に少なくて、全体としてはシンセサイザーその他の電子楽器を駆使したアレンジによる曲が目立つ物凄く硬質な印象を受けるアルバムである。Kate Bushを彷彿とさせる突拍子もない曲想やヴォーカリゼーションは本作でもさえ渡っている。しかし、メジャー・デビュー前のレイプ事件といい、今回のアルバム製作に先立っては流産を経験するなんていう事もあったらしく、何だか物凄い人生を送っている人だな、とあらためて思わずにはいられない。そんなこともあってか、この人もリリス・フェアの収益の寄付先である団体RAINNとの関係は深いようで、関連サイトを見ていると、この人の名前が挙がっていたりする。それはともかくとして、誠に精魂込めて創られている本作は本年度を代表するアルバムとなるだろう事を今から予言しておきたい。(1998/06/20)