art of noise the seduction of claude debussy
再構築されたart of noiseの新作。聴く度に新たな発見のある恐ろしく奥の深い作品である。かつて富田勲がclaude debussyの楽曲をシンセサイザーで奏でていたけれど、あれはほぼ譜面通りだった。trevor horn率いるこのユニットにかかると、原曲はほとんど原型をとどめないまでに裁断され、混ぜ合わされる。今更ドラムンベース?という気がしないでもないけれど、この人達の音作りのセンスは素晴らしく、新鮮な驚きをもって拝聴した。まだまだこの分野には開拓の余地があったのだな、と感心することしきりであった。そうそう、本作は19世紀から20世紀初頭の音楽をリヴューし、同時にまた1990年代を回顧しつつ、更には21世紀の音楽シーンへの展望を示す、という大胆な構想の元に作られているのである。私見では1st程のインパクトはないけれど、誠に野心的な快作である。(1999/12/14)