Robert Altman監督作品 Dr.T & The Women
数々の傑作を作ってきた同監督だが、実のところ駄作も多い。この作品もその一つに加えられることとなった。
このような愚作(あくまでも、この監督の作品としては、という意味です。素人には作れません。)に論評を加えるのは退屈な作業なので手短に終わらせるけれど、この映画の舞台はテキサス州はダラス。モテモテの産科医Dr.T(Richard Gere。モテルのが当たり前。)は、その妻が精神を病んで入院、結婚式を控えた長女は色々な問題を抱えているらしい、ついでにその仕事場であるクリニックには我が儘な患者がワンサカいる、という誠にストレスフルな日々を送っている。そんな中、ある美貌のゴルフ・レッスン・プロと良い仲となり、という展開で話は進み、この監督特有である何ともカオティックなラストを迎える。
病院がメインの舞台であるところは朝鮮戦争時における従軍医師団の活躍を描いたカンヌ国際映画祭グランプリ作品であるM・A・S・H(1970)みたいだし(これは本当に素晴らしい作品。)、長女の結婚が重要なサブ・プロットとして使われているところはその名の通りのA Wedding(1978)みたいである(この映画もとても良い作品。)。自作のパロディを目指したのかもしれないし、そうだとしたらそれなりに面白いのだけれど、分からない人には分からないでしょう。「こういうのは無しにして欲しいな」、と述べて、この短評はとっとと終わりにしよう。以上。(2002/02/02)