The Electric Soft Parade Holes In The Wall
何だか色々なバンドの名前をくっつけ合わせたようなやたらと長ったらしい名前を持つEnglandはBrightonから登場した兄弟ユニットのデビュー・アルバムである。タイトルにも突っ込みたいのだが、最近そういう名前のスパッゲッティ屋さんを見かけないような気がするのでやめておこう(充分突っ込んでしまいましたが…。「壁の穴」は、サイゼリアやポポラーレなどの新興勢力の攻勢にもめげず、新宿などで相変わらず営業中ですね。)。話を戻すと、ギター&ヴォーカルその他担当の兄Alex Whiteは現在19歳、ドラムと作詞作曲その他担当の弟Tomは17歳と、この二人、実のところえらく若い。とは言え、サウンド自体は極めて洗練されたもので、全然そんな感じを受けなかった。もう少し言うと、そのサウンド・スタイルは所謂正統派ブリット・ポップにややオルタナ色とサイケデリック色その他を付け加えたような感じで、大変好ましく感じた次第。特に、第6曲Silent To The Darkは、名曲とすら言える出来映え。1990年代の英国音楽シーンを引っ張ったBlurもOasisも活動を停止している現在、そういうものに需要が無いわけではないし、彼等の薫陶を受けて育った世代がそろそろ成熟期を迎え始めているわけなので、こういう人たちが現れるのは、まあ当然の成り行きなんでしょう。それは兎も角、本アルバムに収められた楽曲群は、全体的に言ってその構成においてもう一つメリハリに欠けるように思うのだが、取り敢えずは今後の活動に要注目、ということで、終わりにしよう。(2002/02/24)