JEWEL SPIRIT
Jewelの公式Website所収のデータによると(historyならぬherstoryだそうだ。ふむふむ。)、アラスカで育ち、エスキモーやオタワ・インディアンの中でその少女時代を過ごし、その後両親の離婚その他の様々な苦労を経験し、現在はSan Diegoに在住しているらしい期待の女性シンガーソングライターの第2作。ファースト・アルバムは900万枚位売れてしまったみたいだけれど、実は未聴。なるべく早く入手しないといけない。基本的にはアコースティック指向を基調としていて、大変ソフトな印象を受けるアルバムである。Lisa LoebとSarah McLachlanの中間位をいくように思うヴォーカルは何とも切なげである。Madonnaという気もするけれど…。なお、この人の苗字はKilcherなのだけれど、ドイツ辺りの系統かな、などと考えてしまった。とりあえず、この冬の一押しである。(1999/01/09)
付け足し。1995年発売のファースト・アルバムpieces of youを入手した。同アルバムの解説文には、Jewel Kilcherは「1974年5月24日にアラスカ州はアンカレッジの南、ケナイ半島の西端にあるホーマーという町に生まれている。」、と明示されている。こちらは公式サイトにも記載されていることだが、ざっと要約すればJewelの両親はミュージシャンで、上述の通り彼女が8歳の時に離婚、その後の一時期彼女は父親と一緒にアンカレッジ辺りで音楽活動を行っていたらしい。間のごちゃごちゃは飛ばして、1992年にSan Diegoに移住しているのだけれど、これは母親であるNedra Carroll(この人、実は本アルバムのシークレット・トラックでメイン・ヴォーカルをつとめている。)と一緒に暮らすためだったようだ。うーん、なんだか、T.Pynchonの小説『ヴァインランド』のモデルのような人だな、などと下らないことを考えてしまった。それはそうと、900万枚売ってしまったこのファースト・アルバムだけど、プロデュースはBen Keith(分かる人には分かりますね。)。これ以上はない、というシンプルなアレンジは天晴れである。時々入る拍手は何なんだろう。本当にライヴ録音だったりして。もしや、スタジオも借りられなかったのかな。それとも別の意図があるのか。一曲一曲は良く出来ているのだが、アルバムの構成も何だか無茶苦茶な感じがする。正直言って物凄く「地味」なアルバムで、これがそんなに売れてしまったのはどういうことなんだろう。不思議だ。私の大嫌いなアンチ・電子音楽コンビ「キロロ」ともコンテクストが違うように思うのだが。(1999/01/25)