以下、2001年9月27日に、ソウル市内ミドパ百貨店地下のCDショップで購入した3枚を紹介する。その前に、何でこの3枚になったのか、その経緯(いきさつ)を簡単に書き込んでおこう。

同日夕刻、ホテルを出た私は、「ホテルの従業員」を自称するオッサン(結局名前は不明。年齢は50歳位)に声を掛けられる。曰く、日本語で「どこへ行くんだ?」。「CDを買いに。」と、正直に答えてしまった私なのだが、オッサンは極めて親切で、「じゃあ、ミドパ百貨店の地下だね。」とのたまう。どう考えてもこのオッサンが「ポン引き」(=買売春仲介業者)であることは自明だったのだが、それは後々に丁重に断るとして、とりあえず韓国の音楽事情(ついでに言うと、「韓国の買売春事情」にも、です。)に通じていない私は、CD選びに付き合っていただこうと、道順は知っているのにも関わらず、「それって、どこなんすか?」とかなんとか、無知を装って付いていく。

で、ミドパ百貨店地下に到着したのだけれど、その時点で、このオッサン、韓国ポップスには余り造詣が深くないことが判明。その後ヒット・チャート・コーナーを自力で探し出し、「この人は有名?」、「これってバラド系?それともヒッポプ?」などと矢継ぎ早に質問を繰り返しながらCDを選ぶ。一枚9,500ウォンで税無し(ちなみに、かの国のCDには、定価などという野暮なものは無いようだ。)。まあ、造詣が深くないとは言え、やはりネイティヴ・コリアンであるオッサンは、私などよりも遙かに韓国の音楽事情に通じている訳で、結局のところこの人の意見はものすごく参考になった、と一応述べておきたい。

なお、お買い物の後、「次はどこへ?」と言うから、「コピ(コーヒー)を飲みたい」という私に付き合ってくれたオッサンは(ちなみに、明洞(ミョンドン)の「ドトル(ドトール)」に入りました。一杯1,800ウォンで消費税無し。)、店内でしっかりと本業の方の営業を始めたのだが、丁重にお断り申し上げたのは言うまでもないことである。

Jo Sung Mo Jo Sung Mo IV No more love

先週(9月末)の店内(?)アルバム・チャートで一位。町中にポスターが貼りまくられていたから、とりあえず押さえておこうと思っていた一枚。生物学的には男性であるJo Sung Moは、基本的にバラド系の大家とも言うべき存在らしいのだが、中性的な高音のヴォーカルで紡がれる哀愁漂うメロディには、何を唄っているのかほとんど聞き取れないとは言いながら、それなりに感情移入できる。まあ、日本の文脈で言えば、「さだまさし」だの「ASKA」だの、というのを想像していただければ、大体正しいと思う。
Kim Hyun Jung Kim Hyun Jung 04 Wild Beauty
この人は、上記のJo Sung Moとは打って変わって、どちらかというとソウルフルでダンサブルな楽曲を得意とする超有名女性ポップ・シンガー。凝りに凝った作品で、複雑な楽曲構成がなかなか楽しめる。なお、ここまでに見たごとく、アルバム・タイトルに「IV」だの「04」だのというようにリリース番号を振るのが韓国ポップスの一特徴なのかな?、などとも思ったのだが、これは日本のアーティストにも言えることですね。
park hhwa yobi nineteen plus one
凝った造りの紙ジャケットに印刷された超キュートかつ超美形な面立ちに(ちなみに、女性です。)、一見して「アイドル」なのかと思ったのだが、ちょうどCDショップ内で流れており、「ふむふむ、これいいじゃない。」などと言いつつ、購入。倉木麻衣と宇多田ヒカルを合わせたような、とりあえずはソウル指向の強い、バラド指向もそれなりに含んだ良質のポップ・アルバム、と言っておこう。上の二人もそうなのだが、この人も歌はうまいです。それはともかく、今回購入した中では、一番面白いアルバムだと、今のところは考えているのだけれど、今後評価が変わる可能性はある。以上。(2001/10/03)