Lisa Loeb firecracker
アメリカの女性シンガー・ソング・ライター、Lisa Loebの第2作。アレンジ面などはデビュー作のスタイルを継承。とても聞き取りやすい英語で、アコースティック・ギターを全面に押し出しつつ、狭い音域で、地声を生かし、全然高度なテクニックを使用しないで語りかけるように唄う、という基本的な姿勢は崩れていない。ヴォーカリゼーションは全然変化しておらず、ヘタ/ウマの境界線あたりを相変わらず行き来していて、これはこれで計算されたものなのだろうけれど、なまじ演奏がうまくなった分、全体としてはデビュー作が持っていた勢いを幾分そがれた面もある。まあ、あえて「洗練」された、という言い方も出来るだろう。アルバムとしての完成度は大変高いと思う。
しかし、メロディーの作り方がEddi Readerそっくりなのはなんでなんだろう。まあ、元を正せば英国周辺のフォーク・ソング、さらには吟遊詩人=バードによる弾き語り音楽の伝統に行き着くのだろうから、致し方ないのかも知れない。
なお、国内先行発売なので国内版を入手したが、これにはボーナス・トラックとしてEno Ambient #5という曲が入っている。彼女のBrian Enoへのリスペクト(?)が分かって面白かった。その内にプロデュース作が出るかも知れない。どんなものになるか想像もつかないけれど、期待したい。また、もし#1-#4があるのなら聴いてみたいものだ。(1997/11/3。11/4に少々修正。)