Björk Medúlla
「延髄」を表すタイトルになっている語の発音は、敢えてカタカナで書けば「ミダッラ」になるのだろうけど、それは兎も角、本作はBjörkの3年ぶり第5作となるオリジナル・フル・アルバム。自身の独特な、そして類い希なる声、コーラス、ストリングスなどといった部分を除けば、その楽曲構成の基本部分は電子音楽でやってきた彼女が、今回は肉声パーカッション(「ヒューマン・ビート・ボックス」と言うのだそうだ。)を全面的に取り入れ、新境地を開拓。一曲一曲は強いて言えば地味なのだけれど、その肉声中心の斬新なアンサンブル、時間をかけて作り込まれたミキシングの在り方に新時代の到来をさえ予感した次第。以上。(2004/09/27)