Mercury Rev All is Dream
ニュー・ヨーク州はバッファロー出身の6人組ロック・バンドの第5作。Pink Floydや一連の4AD系バンドの影響を多大に受けている彼等であるけれど、これ以上踏み込んだら「秘教的」(エゾテリック)と呼ばれることになるだろう一歩手前で禁欲するそれなりにポップ感覚あふれる独自の路線は私にとって極めて受け入れやすいものでもある。そう、ここから先に進まれると、私も付いていくのが厳しいのだ。それはともかく、本作も丁寧にじっくりと時間をかけて練り上げられた傑作。中でも、Tony Viscontiがアレンジその他で加わっている数曲(特に7. ‘A Drop in Time’が良い。)と、アルバムのラストを飾る名曲10. ‘Hercules’は特筆もの。Mercury Revというヘンテコな名前を持つ日本ではほとんど知られていない音楽集団の、耽美で穏やかな音楽世界をとくと味わって頂きたいと思う。以上。(2001/10/30)