EDDI READER SINGS THE SONGS OF ROBERT BURNS
本欄では既におなじみ、Glasgow出身のシンガー・ソング・ライタ、Eddi Readerの最新作。このアルバム、日本では「蛍の光」という曲名で知られるスコットランド・トラッド楽曲‘Auld Lang Syne’のオリジナル詞を初めて文字化した人物であるRobert Burns(1759-1797?。スコットランドあたりではかなり有名な方です。)なる詩人が書いた詞章群を基に、誰が作曲したか良く分からないメロディを付加しつつ、Reader自身によるアレンジでレコーディングを行なったもの。作曲者が分からない曲が多いのだけれど、取り敢えずReader自身ではないようだ。他にもこの人が作ったり採集したりした詞章を歌にしたものは多々あって(‘Auld Lang Syne’もその一つである。ついでだけれど、日本で歌われている「蛍の光」のメロディは、このアルバムに入っている同曲のメロディとは全然違う。どうしてなのだろう?何種類もあるということだろうか?)、CDとしてまとめられていたりもする。一応、このアルバムのブックレットには各楽曲について“trad. arr. by EDDI READERその他”という表記がなされているのだけれど、要するに「トラッド」というのは作曲者不詳という意味なのだろうか?これは、ある意味凄いことだ。それは兎も角、アマゾンの紹介欄などでは“the Celtic Bard”(=「ケルト詩人」。手許の辞書によると、そもそも“bard”自体が「古代ケルト族の吟遊詩人」を意味するそうで、そうすると“the Celtic Bard”という表現は形容重複を冒していることになってしまう。)などという表現もされるこの詩人が作った詞章に付されているメロディ・アレンジもまさに「ケルティック」なもの。ということで、これまでのアルバムでも「ケルティックなもの」を小出しにしてきたこの天才シンガー・ソング・ライタの原点が、どこに存在するのかを改めて思い知らされるような内容なのであった。以上。(2003/06/03)