Larry & Andy Wachowski監督作品 The Matrix Revolutions
ロードショウ最終日に鑑賞。有楽町駅前のティケット屋に何故か前売り券がまだ残っていた。そんなところからもかなりの「不入り」だったのだろうな、と思う。
評論家からも一般鑑賞者からも極めて低い評価を受けたこの「完結」編(本当に続編はないのか?)だけれど、酷評されるほど悪いできではないように思った次第。ただ、物語自体は前作でほとんど完結していた、つまりは語られるべきことは前作ですでに一切が語られてしまっていたわけで、本作は誠に予定調和的な形で、なんのどんでん返しも意外性もなく、あっさりと終わる。これを、「詰まらない」と感じるのは当然だろう。
もはやこの作品、それなりに圧倒的なものであるCGだの、こちらは余りにも平坦だと私も思う物語構造だのを愉しむのではなく、『ドラゴンボール』そのままなNeo v.s. Smithの最終決戦を笑みを浮かべつつながめ、機械群とNeoの「融合」を「『ナウシカ』みたい…」などとほくそ笑みつつ見つめる、という鑑賞法こそが正しいのではないか、などと思うのだ。
日本製アニメーションオタクである作者達が創った長大な3部作だけれど、ここまで徹底的に日本製アニメーションへのオマージュをあからさま(なのかどうかは分からないが…)に表明しているのは天晴れとも言えるわけで、こういうことにお金をかけられるハリウッドの底知れぬ力を改めて感じたのであった。(2003/02/02)