STING BRAND NEW DAY
極めて外れの少ないアーティストSTINGの新作。またまた、完成度の高いアルバムの登場である。今回はStevie Wonder、James Taylor、Branford Marsalis他、豪華なゲストを迎え、ヴァラエティに富んだ楽曲構成を試みている。打ち込みは最小限(はっきり分かるのは第2曲位のもの。この曲が一番面白い。所謂「オリエンタル」ムードを醸し出しているのだが、STINGはこれまであんまりこういうことはやっていなかったように思う。Cheb Mamiのそれこそエキゾチックなヴォーカルも見事にマッチしている。)に押さえられ、ラップ(フランス語。Steによる。eは上に点が付いている。)も少々入ってはいるものの(第5曲)、基本的にはアナログ楽器を重視するこれまでのスタイルを堅持。ホーン・セクション、コーラス、ストリングスの多用もこれまで通り。このアルバムを聴いていて、そういえばbjork(oはウームラオト。)のやっていることはこの人に非常に近かったのだな、と再認識させられた。ところどころ、ENOっぽいシンセサイザー音が混じるのだけれど、解説書でも「謎」、とされていたKipperなるキーボード&ドラム・プログラマーの正体は案外?まさかね。(1999/10/25)