M. Night Shyamalan監督作品 The Sixth Sense
Bruce Willis主演最新作。The Fifth Elementに続いて、The Sixth Senseということは、次は?というのはどうでもいいのだが、あのアクション・スターをして、こんなに地味な映画を、というのが第一印象。新境地といったところか。それもどうでもいいか。しかし、これだけ地味な作品があれだけの成功を収めたのは、半分はWillisの知名度によるとも思う。プロデューサの戦略は見事に成功した訳だ。ここまで「地味」という語を繰り返しているけれど、別にけなしているわけではない。なかなかにいい映画なんですよ。これが。最近流行のサイコ&バイオ・ホラーがど派手な演出で観客動員を狙ってきたのに敢えて反旗を翻すような、誠に押さえに押さえた演出。基本的に暴力シーンは必要最小限だし、画面に何回か現れる死人・幽霊の描写も全然グロテスクではない。多少流血していたりすることもあるけれど。意表をつくどんでん返しもお見事。これもこのインド系の苗字を持つ全然知名度のない監督(端役で出演していたのにお気付きだろうか?)の演出が細部まで行き届いているからこそ、可能なのだ。大変な人材が埋もれていたものだと思う。以下蛇足。本作品は、死者が見えてしまうらしい少年がそれを思い悩み、克服していく過程を描いているのだけれど、要は、私の研究対象であるシャマンの成巫過程と重なる訳です。ネタ晴らしになるのでこれ以上は口を慎もう。ただ、この克服プロセスが、あるタイプのシャマンと共通するものである、ということは述べておきたい。どういうタイプなのかは口が裂けても言えません。以上。(1999/12/14)