Ethan & Joel Coen作品The Big Lebowski
とんでもなく面白い作品だ。監督はJoel Coen、プロデュースはEthan Coen、脚本は両人。しかし此の二人、本当に駄作が少ないように思う。今回は大いに笑わせて貰った。舞台はロス・アンジェルス。時は1991年。丁度合州国等が対イラク制裁を検討していた頃だ。
前作同様、「誘拐」が話の中心になるのだけれど(此の反復はわざとでしょう。)、あれほど「陰鬱」(それなりに「滑稽」でもあったけど。)な話ではなくて、本作は完全なコメディである。個人的には、Robert Altman辺りの作風を意識しているようにも感じられた。これまでの作品はここまで徹底して喜劇ではなかった訳だ。更にはAltmanによく見られる如く、人はやたらとたくさん出てくるし、普通の人は一人も出てこないし。若干周防正行も入ってたかな。ボウリングって、社交ダンス的な所があったのですね。ふむふむ。Ken Russelも若干入ってたな。うむ。でも、決しておふざけだけの作品ではなくて、ベトナム後遺症とか、ドラッグ・カルチャーとか、フェミニズムとか、色々なものが交錯していて、結構奥が深い。いわば「全体映画」な訳ですね。
後は蛇足。しかし、主演のJeff Bridgesは見事におっさんしていたな。あんなになってしまうとは。さらにどうでもいいことだけど、台詞にfu○kだのfu○kingが何回使われていたんだろう。「人種差別」的な表現も平気で使われていたように思う。映画の場合には何でもありなのかな。放送は出来ないんだろうけど。このままじゃね。放送する場合、どうしているのかな。誰か教えて下さいな。そんなところで。(1998/12/08)