The Cranberries WAKE UP AND SMELL THE COFFEE
アイルランドが生んだモンスター・バンドの一つ、The Cranberriesの第5作。「5」作目は節目だとでも言うのだろうか、なんだか聞いたことのあるような曲ばかりで、一瞬「これって、ベスト盤だっけ?」などと詰まらぬ感想を抱いてしまった。ボーナス・トラックである14.と15.に1999年に行なわれた彼等のツアーからのライヴ音源が収められていて(それぞれ、‘Salvation’と‘In the Ghetto’。)、これが旧作で聞き覚えがあるのは当たり前なのだが、例えば2. Analyseを聞いて、「これって、まるっきり‘Dreams’やんか?」と思うのも当たり前。何せ、コード進行からメロディ・ラインから、アレンジ手法や演奏手法まで、何もかもがほとんど変わらない。「うーん。手抜きやなー。」とも思ったのだが、まあ、J.S.Bachなんていう人も、自作他作のパロディをさんざんやっていて、それが「名曲」とされているケースが多々あったりするので、この位は許すことにしよう。そうそう、本アルバムはこれまで4作の美味しいところを集めたという点で、極めて優れた作品になっているのは紛れもない事実なのである。これもまた「当たり前」か。ということで。(2001/10/30)