blur THINK TANK
先頃ギタリストの Graham Coxon が脱退した最強のブリット・ポップ・バンド blur の最新オリジナル・フル・アルバムである。「頭脳集団」を意味するTHINK TANKというタイトルに相応しく、このバンドが元々そうであった通り極めて知的に、そしてまた実に良く練り上げられた内容で、はっきり言って失敗作だったと思う 13 の存在が、今となっては「あれは一体何だったのか?」とさえ思われてくる。要するに Coxon が悪かったのかも知れないがそれは措いておこう。さて、この傑作アルバムの中身はというと、このバンドも昔からやっていたような、あるいはこのところの RADIO HEAD を思わせる音響的な雰囲気の楽曲 AMBULANCE から始まって、2曲目の「これは名曲だよ。」と後々まで言われることになるだろう Out of Time、いかにもブリット・ポップな第3曲(以下曲名省略)、一曲おいてまたまた音響的な第5曲、U2がこんなのをやっていたなという感じの第6曲、またまた音響的な第7曲…という感じで進行する。全13曲中捨て曲は一切無し。ギリギリまで煮詰めこまれた、今日における英国ポップ・ミュージックの精髄とも言い得る本作をくれぐれもお聞き逃すことのなきように。以上。(2003/05/13)