Rodrigo Garcia監督作品 Things You Can Tell Just By Looking At Her
ノーベル賞作家・Gabriel Garcia Marquezの息子であるRodrigo Garcia(以上、「Garcia」に含まれる「i」はスパニッシュ・キャラクタである。)の監督デビュー作は、5人の超大物女優達(Glenn Close、Holly Hunter、Kathy Baker、Calista Flockhart、Cameron Diaz)をそれぞれ主人公として起用したオムニバス風群像劇である。

プロデューサはあの「フェミニズム映画」Fried Green Tomatoes(1992)を撮ったJon Avnet。ということもあってか、本作品も基本的に「フェミニズム映画」の系譜に位置づけることが可能なものとなっているのだが、攻撃的とも言えたFried…に比べ、こちらは何らかの悩みを抱える主として独身白人女性の日常を、ある意味で極めて淡々と描くことに終始する、という誠に「おとなしい」ものである。

私にとっては、この辺りの事柄こそが極めて興味深い点なのであって、2000年という世紀の終わりに至って、フェミニズムに理解を示し、むしろそれに積極的に関わろうとする男性による女性についての表象が、このような形に発展ないし変化を遂げたことは、特記すべきものと思う。

なお、全編を通じて、同性愛者であるタロー占い師、ホームレスの女性、「小人症」(正確にはどう言うのでしょう?)の男性、盲目の少女といった、それこそマイノリティ=少数者こそが、物事の本質を的確に見通している、という図式が一貫して現れており、こういう部分についてもそれなりに意味深い事柄として拝見した次第である。ということで。(2001/08/12)