U2 ALL THAT YOU CAN'T LEAVE BEHIND
前項で述べたRADIOHAEDの兄貴分というか、父親的な存在とも言える、世界的知名度では間違いなくNo.1のバンドが20世紀最後に放つ最新作である。最早、何枚目だか良く分からない。1990年代に入って、本当に色々なことを模索してきた彼等だけれど、行き着いたのは極めてシンプルなロック&ソウルなのであった。何曲かは、1979年代のHall&Oatsをすら彷彿とさせさえする。所謂ブルー・アイド・ソウルというやつです。プロデュースは、ここ数枚一緒にやってきたfloodの名は含まれておらず、Brian EnoとDaniel Lenoisの共同プロデュースによっている。電子音(当然Enoによる。)は入っているけれど、前面に出ているのは何と云ってもBONOのヴォーカルであり、The Edgeのギターであり、Adamのベースであり、Larryのドラムである。これぞまさしく、バンド・サウンドの追求というものですな。取り敢えず、とても良い曲の沢山入ったアルバムで、どなたにもお奨め出来る。尚、日本国内盤・12曲目の作詞が、かのSalman Rushdieであることも付け加えておきたい。全く、政治的な、余りにも政治的な…。(2000/11/02)