Enya Amarantine
アイルランド共和国出身の音楽家enyaによる5年ぶりオリジナル・フル・アルバム。タイトルになっている語は、手持ちの辞書ではその綴りがamaranthineになっているのだけれど、これは「紫赤色の」あるいは「不死の」、「永遠の」といったような意味の形容詞。何で'h'を省いたのかは不明。だれか教えてください。

さてさて、全12曲からなるこのアルバムではゲール語による曲はとうとう無くなってしまい、英語以外の言語では作詞担当のRoma Ryan(多分ローマ・ライアンと読むんでしょう。)が作ったLoxianという言語(「ロクシャン」で良いと思いますが良く分かりません…。何となくゲール語っぽい気はしますね。)の曲が3曲と何故か日本語詩が1曲含まれる(第7曲の'Sumiregusa'。元ネタは松尾芭蕉らしいです。全く日本語に聞こえませんね…)、という構成が何とも面白いところ。

これまで肉声をほとんど原型をとどめないまでに重ねに重ねる、という独特の手法を使ってきた彼女だけれど、今回はそれが割合生の形で現われている楽曲が多いように感じた次第。何となく、生声に近い方がより「ケルト」な感じがするのは気のせいだろうか。そうそう、これまでは多重録音の影に隠され気味だったように思うのだけれど、彼女の歌唱法・発声法は、まあ当たり前かも知れないとは言え、数多(あまた)いるアイルランド出身の歌手達と実のところそれほど変わらないことが改めて良く分かったのであった。(2005/12/16)