Richard Ashcroft Keys To The World
伝説のバンドになってきた観もある既に解散しているThe Verveのヴォーカリスト・リチャード・アシュクロフトのソロ転向後3枚目となるオリジナル・フル・アルバム。今回は若干The Verveっぽい楽曲が増えたかな、というような感じなのだが、要は全体としてとてもストレートなロック・テイストに溢れた作品に仕上がっている。この辺りのことは、例えば完全にグラム・ロックな第1曲”Why Not Nothing”に続くたぶんシングル・カットされるんだろう2曲目”Music Is Power”や、終盤の第9曲”Simple Song”などに端的に現われていて、これらの曲におけるストリングスとヴォーカルの絡み合いなんていうのは、The Verveが生み出したかの名曲”Bitter Sweet Symphony”を髣髴とさせるものなのである。ちなみに、同曲を含むあのアルバム Urban Hymns は私が考えるに1990年代に作成されたロック・アルバムの中でも間違いなく10本指(あるいは5本?)に入る位のものなのでこの作品とあわせて是非聴いて欲しいと思う次第。以上。(2006/01/29)