2004年秋にリリースされた英国の男性シンガー・ソング・ライタ・ジェイムズ・ブラント( james blunt )の記念すべきデビュウ・アルバムにして、昨年(2005年)英国でもっとも売れたアルバム、ということになる。アイルランド共和国やその他ヨーロッパ諸国ではいまだにアルバム・チャート1位で、日本でも昨秋位から火が点いた、という感じだろうか。Tidworthというイングランドの町で生まれ、どうやら軍人一家らしい家系なためかコソボ紛争に参戦したという経歴は良く知られるところ。「精神病院に戻る」と訳せる何とも意味深なタイトルを持った作品だけれど、ロッド・スチュワート( Rod Stewart )を思わせる高い声と、デイヴィッド・グレイ( David Gray )を思わせる哀愁に満ちたメロディ・ラインが冴え渡る名作である。プロデュースは Beck などを手がけるトム・ロスロック( Tom Rothrock )で、今回はブラント自身と同様に彼にとってもそのキャリアにおける代表的作品となった、というところだろう。以上。(2006/01/28) |