Underworld Barbara Barbara, We Face a Shining Future
英国のエレクトリック・ユニットであるUnderworldによる、前作Barking以来実に6年振りとなるオリジナル・アルバム。タイトルはリック・スミス(Rick Smith)の父が残した辞世の句であるらしい。バーバラとは遺された父の妻(=リックの母親)の名前である。なんだか、このところ何年振り、何年振りばっかり書いている気がするが、要するにそういう寡作なアーティストが好きなんだろう。それはともかく、この世界的影響力を持つユニット、ロンドン・オリンピックでの仕事や、ダニー・ボイル(Danny Boyle)やブライアン・イーの(Brian Eno)とのコラボレーションを含むソロ活動などを経て、再始動。出来上がったものは予想を裏切らない、その音楽シーンにおける存在の大きさを改めて実感できる作品となった。ストレートなロックを基調とする第1曲”I Exhale”から始まり、割とアンビエント系の音が続く展開を経て、壮大で美しいミニマル・テクノの終曲”Nylon Strung”に至る全7曲、計45分。全く隙の無い、緻密に編み上げられた精巧極まりない傑作である。以上。(2016/04/20)