PRIMAL SCREAM BEAUTIFUL FUTURE
COLDPLAYの圧倒的成功の影に隠れてしまっている感もあるのだけれど、英国のみならず今日のロック界における一つの領域を作っていると言っても過言ではないかれこれデビュウ22年になる超重要バンド=プライマル・スクリーム(Primal Scream)による通算9枚目のオリジナル・アルバムである。先週苗場で行なわれていたFUJI ROCKフェスではヘッド・ライナをつとめかなり好評だった感じなのだが、実のところこのバンド、一度で良いから相当凄いらしいそのライヴを観てみたくもある。それは措くとして、この作品、実に色々なことをそれぞれのアルバムで行なってきた彼らのある意味集大成的な内容になっていて、しかも散漫になっていない、という見事な出来映え。1曲目のポップなタイトル曲、シングル曲のこれまたポップな第2曲"Can't Go Back"、New Orderの音楽を彼らなりの解釈で再構成してみたかのような第3曲"Uptown"、グラム・ロックも消化しうまい具合に昇華させているエレクトロ・ポップの傑作とも言うべき第4曲"Glory of Love"、Lovefoxxをフィーチュアしたこの人たちが2000年前後に作っていた音に近い、個人的にはこのアルバム中最も優れていると思うディジタル・ロックの一つの到達点とも言いうる第8曲"I Love to Hurt"などなど、極めてクォリティの高い楽曲揃いの傑作、と述べておこう。以上。(2008/08/03)
Beautiful Future