The Chemical Brothers Born in the Echoes
マンチェスター出身のエレクトロニック・デュオであるご存じThe Chemical Brothersの5年振り通算8枚目となるオリジナル・アルバム。彼らのキャリアももう20年をはるかに超えてしまった。しかし、やっていることはほとんど変わっていない。特徴のあるビート、ヘンテコ感あふれるエフェクト、そして色々なタイプのヴォーカルの起用。ほとんど変わっていない、とは言え、その歩みは着実に進化に向かってきた、と思う。これもまた、その着実な歩みを裏付けるかのような、まことに充実感あふれる一枚である。聴けば聴くほど味のある作品なのだが、今回はいかにも彼ららしいサイケデリックなトラック5”I'll See You There”から、ヴォーカルなしの2曲であるトラック6”Just Bang”、トラック7”Reflexion”に至る流れ辺りが中でも秀逸に感じた次第。最後の3曲、タイトル曲のトラック9”Born in the Echoes”、アンビエントなトラック10”Radiate”と、Beck参加のトラック11”Wide Open”の流れも大変素晴らしい。会心作だと思う。以上。(2015/08/20)