Mike Nichols監督作品 Closer 2005.09(2004)
2004年度のゴールデングローブ賞の助演男優・女優賞を勝ち取り、同年度のアカデミー賞でも同じ賞にノミネートされた、パトリック・マーバー=Patrick Marberによる舞台劇をマイク・ニコルズ=Mike NIchols監督が映画化したコメディ作品である。
その内容はといえば、ロンドンを舞台に、売れっ子の写真家(ジュリア・ロバーツ=Julia Roberts)、売れないライタ(ジュード・ロウ=Jude Law)、ストリッパ(ナタリー・ポートマン=Natalie Portman)、皮膚科医(クライヴ・オーウェン=Clive Owen)という4人の男女が繰り広げる出会いと別れその他を「独特なタッチ」で描いたもの。配役的には前2者が主演、後2者は助演となるわけだが、各賞にノミネートされた事実が物語るように、特に後2者は実に見事な演技を見せている。
さて、上で「独特なタッチ」と述べたのは、要するにこの作品においては、具体的な性描写はないものの、それは徹底的な形で言語化=台詞化されていて、その「下品」さといったら半端なものではないのである。まあ、それだけの作品ではなくて、4人の人物造形から導き出されるそれぞれの発現や行動もとても筋だっているし、また、何ともマイク・ニコルズらしい「そこには必ず裏と表がある」的人間観がにじみ出た秀作であると思う。以上。(2006/07/06)