BECK COLORS
アメリカのシンガー・ソングライタであるベック(Beck Hansen)による、グラミー3部門制覇の傑作Morning Phase(2014)以来3年振り通算13枚目となるオリジナル・アルバム。共同プロデューサとして超売れっ子のグレッグ・カースティン(Greg Kurstin)を迎え、これ以上のものを作るのは難しいのではないかと思えるくらいの完成度を持つ作品が出来上がった。正直、どの曲もシングル・カットできそう、なんてアルバムはしばらくなかったように思う。2010年代の最高傑作、という声もあながち的外れではない。アルバムのリリース前に出たシングル曲"Up All Night"をはじめとする珠玉の作品群が奏でる、タイトルの通り色彩感あふれるサウンドには実に心を踊らされる。もはやベテランとも言える年齢になってきたまことに才能あふれるミュージシャンによる、一つの到達点を示す快作、と言っておきたい。以上。(2017/11/12)