David Cronenberg監督作品 Cosmopolis 2013.10(2012)
鬼才デイヴィッド・クローネンバーグ(David Cronenberg)による、劇場用長編映画である。上映時間は110分。原作はドン・デリーロ(Don DeLillo)という人が書いた小説。昨年(2012年)のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、プレミア上映された、とのこと。出演は主人公エリック・パッカー役のロバート・パティンソン(Robert Pattinson)の他、ジュリエット・ビノシュ(Juliette Binoche)、サラ・ガドン(Sarah Gadon)など。
映画はデモが喧しいマンハッタンのとある1日、を描く。資産運用会社を営む若き実業家エリック・パッカー(ロバート・パティンソン Robert Pattinson)はほとんど居住空間のようなリムジンに乗りこみ、2マイルほど先の床屋に向かう。そんな彼のもとに、部下、愛人たち、医者たちが訪れる。デモのせいで一向に床屋に辿り着けない中、暗殺をもくろむ者の影が忍び寄る。
基本的に対話劇。資本主義について、愛について、テクノロジーについて、そしてまたマーク・ロスコ(Mark Rothko)について、などなど。クローネンバーグ監督らしい、思弁と虚無感、閉塞感に満ちた何ともノワールなテイストのフィルムで、というか、この人にしか作り得ない作品、だと思う。(2014/02/13)