Tim Burton監督作品 Dark Shadows 2012.10(2012)
前に載せた『猿の惑星』シリーズの1本を撮ったこともある鬼才ティム・バートンによる、彼とは切っても切れない俳優ジョニー・デップ(Johnny Depp)を主役のヴァンパイア役として起用したゴシック・ホラー作品。同名のTVドラマ・シリーズに基づいているらしいのだが、寡聞にして知らない。
時は18世紀半ば、リヴァプールからアメリカへと移住した裕福なコリンズ家の跡取り息子バーナバス(デップ)はプレイボーイ。優雅な生活を送っていた彼だが、魔女(エヴァ・グリーン=Eva Green)の求愛に応じなかったためにヴァンパイアにされ、更には生き埋めにされてしまう。200年以上の時を経た1972年、バーナバスはひょんなことから棺から脱出。コリンズ家に戻ってはみたものの、彼が目にしたのは魔女の呪いにより没落した姿だった。バーナバスはコリンズ家の再興と魔女への復讐を心に誓うのだが、果たして、というお話。
既視感がある、というよりはもうこれはバートン&デップの世界なので致し方のないところか。このコンビによって本当に様々な作品が作られてきたわけだけれど、そんな、ある意味様式化されてしまったその映画スタイルの中心にドカッっと座るような作品になっている。確かに、マンネリ、という評価も出そうだが、これはもう、小津映画みたいなものなんだと、ポジティブに評価しようではないか。更なる洗練への過程にある、バートン&デップもの映画の一本にして、それ以外の何物でもない作品である。以上。(2012/12/14)