Matt Reeves監督作品 Dawn of the Planet of the Apes 2015.11(2014)
「猿の惑星誕生」までの道のりを描く、ご存じ「猿の惑星」の新シリーズの第2弾。監督は『クローバーフィールド/HAKAISHA』(2008)などで知られるアメリカのマット・リーヴス(Matt Reeves)が務める。配役として、主演のシーザー役には引き続きアンディー・サーキス(Andy Serkis)が抜擢され(モーション・キャプチャー)、物語のキーパーソン2名にはジェイソン・クラーク(Jason Clarke)、ゲイリー・オールドマン(Gary Oldman)という手堅い俳優を当てている。
前作で描かれたシーザーの反乱から10年。人類の文明はほぼ崩壊し、わずかに残った人々が残り少ない資源を利用してかろうじてコミューンを営む程度。一方、猿たちはシーザーが定めた「エイプ(猿)はエイプを殺さない」という掟のもとに、群れを拡大して種を超えた巨大な集団を築きあげ、平和な暮らしを送っていた。
そんな中、サンフランシスコにあるコミューンの対猿強硬派である指導者ドレイファス(オールドマン)は、猿たちの住処に近い水力発電所の使用許可を得るべく、政治的には穏健な技師マルコム(クラーク)を派遣する。これを機に人間との共存共栄の可能性を考え始めるシーザーだったが、猿たちの中にはそれを望まないものもおり、やがて両者は決裂し、更には猿たちと人間との関係にも亀裂が入っていく…、というお話。
確かに、割と良くある枠組みの物語ではあるのだが(シェイクスピアっぽい、と言えばその通り。そもそも「シーザー」だし。)、シーザーおよびその敵対者の造形、猿たちの生活、はたまた人間との対立が深まっていくプロセス等々のディテイルをしっかりと編み上げているため、非常に説得力のある、そしてまた見ごたえのある作品に仕上がっていると思う。完結編になると思われる次回作にも大いに期待したい。以上。(2016/01/23)