Lasse Hallström監督作品 Dear John 2012.03(2010)
スウェーデン出身の、もはや名匠と呼ぶにふさわしいラッセ・ハルストレム(Lasse Hallström)監督による、王道系ラヴ・ストーリー。原作はアメリカの人気作家ニコラス・スパークス(Nicholas Sparks)による『きみを想う夜空に』(原題Dear John)という小説だが、2010年の公開当初は、批評家の低評価をよそにあの『アヴァター』の週刊観客動員を7週ぶりに破った、という作品である。これ、何となく、分かる気がする。
ストーリーは単純明快。休暇で郷里に帰省したジョンは、その地に遊びに来ていた女子大生サヴァンナと知り合い、恋に落ちるが、二人は軍、そして大学へと戻り文通を始める。やがて状況は一変し、ジョンは911テロ後に始まった対テロ戦争に赴くことに。運命は二人を引き離すのか、あるいは、というお話。
えらく時代がかった映画だな、と思ってみていたのだが、時代はつい10年くらい前のことだし、映画自体2010年の公開。こんなラヴ・ストーリーっていまどきあり得るのか、というかそもそも文通って何よ?、っていう感じなのだが、そこは名匠にして巨匠。取り敢えずは質の高い作品には仕上がっているし、脇役やサブ・プロットの使い方や作り方も実に見事なものだと思う。コイン集めのくだりなどは、もうこれはハルストレム節炸裂、なのである。以上。(2012/08/09)