the Crystal method devided by night
アメリカのテクノ・ユニットであるThe Crystal Methodの通算4枚目となるオリジナル・アルバム。リリースは2009年暮れ。ところで、1993年から活動している彼ら(Scott KirklandとKen Jordanの二人)だけれど、日本での知名度は限りなく低い。私も最近まで知らなかったし。そんな彼らによるこのアルバムだけれど、冒頭2曲は余り面白くないのだが、ラッパーのMatisyahuをフィーチュアした第3曲目"Drown in the Now"からがらっと変わる。そして、それに続くJustin WarfieldとStefanie King Warfieldのヴォーカルが入る4曲目"Kling to the Wreckage"で更に深いところへと進む。この曲なんかはちょっとだけBauhausとかLove & Rocketsみたい。ここいら辺からは例えばEmily Hainesを入れた第8曲"Come Back Clean"等々の秀逸なトラックが続き、そしてこのアルバムのクライマックスとも言うべきStefanie再登場の10曲目"Black Rainbows"となる。これは名曲。Supercarみたい、なのだけれどそっちが既に無くなってしまったからこういう楽曲は大変貴重。同様に、Meikoをヴォーカルに据えた12曲目"Falling Hard"も素晴らしい。長いことやっているだけのことはあって、色々な要素が詰め込まれ、それでいて散漫でなく、しっかりと作り込まれた名作だと思う。以上。(2010/03/11)