George Lucas監督作品 Star Wars Episode III : Revenge of the Sith 2005.11(2005)

「スター・ウォーズ」シリーズ中所謂「新三部作」の完結編。別に誰でも知っている物語なので全く躊躇せずにその要約を記してしまえば、このエピソードではアナキン( Anakin )がダース・シディアス( Darth Sidius )に半ばそそのかされる形でフォースの暗黒面に堕ち、共和制が崩れてこのシリーズの舞台になっているどこかの銀河系は帝政へと移行、そういうお話と同時並行な形でパドメ( Padme 。最後のeはアクサン付き。)がルーク( Luke )とレイア( Leia )という名の双子を出産し、という大きく分けて三つの事柄が描かれる。これで1977年公開のエピソードIVへの布石が整った、ということになる。いやはや、感無量、という感じ。
細部まで凝りに凝った、今日可能な特殊撮影及び視覚効果技術の粋を集めた大変高度な映像には圧倒される他ないのだが、これに関しては誠に日進月歩ということを実感した次第。まあ、コンピュータも同じコストで3年前よりは一段と高性能なものを使えるようになっているはずで、商業映画作りというのは結局のところお金と時間の兼ね合いなのだから、こういうのは当たり前なのかも知れない。それにしても、どこまでがセットでどこからがCGなのか殆ど区別がつかなくなっているのはたいしたものだ、と思う。個人的には、やや地味なのかも知れないがラスト近くのヨーダ( Yoda )とダース・シディアスの「チャンバラ」シーンが一番印象に残ったのだが、タイトル通りなら戦争映画になってもおかしくないにも関わらずちっとも戦争を描こうとしていないこのシリーズは、何度も言うように基本的にチャンバラ映画なのである。
このシリーズ、1970年代にその基本コンセプトが出来上がっていたこともあり、その語り口や世界設定が当時既に古臭いものとなっていた基本的に20世紀前半には既に確立していたスペース・オペラの語法に忠実過ぎるのは否めないのだが、それを言ったら何も作れなくなる。古典的な手法というものもうまく使えば新しいものを産み出せるはずで、これはその典型的な成功例だと思う次第。
さてさて、これでこのシリーズは完結、などということもあちこちで書かれているのだが、それは間違い。外伝的な要素の濃いTVシリーズ(アニメーションは既に存在しているが今度は実写でやるらしい?)だの小説・コミックだのといった形でのリリースは相変わらず続けられる模様なので。この辺の事情については前にも紹介した「スター・ウォーズの鉄人!」という神サイトをご覧頂きたい。「タイムライン」というところがとても参考になる。もう一つ、このシリーズの真の完結編であるエピソードVIIからIXまでについては、ジョージ・ルーカス自身が書いたと思しきプロット自体が既に存在し公開されている。SuperShadowという人(?)のウェブ・サイトに載っているのでこちらもご覧になられると良いだろう。こちらの映画化は相当先のことになるのかも知れない。以上。(2005/12/28)