庵野秀明総監督作品 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』 2008.04(2007)
ご存じ1995年-1996年にかけてTV放送され、補完編とでも言うべき劇場版も作られたアニメーション作品のリメイク4部作の第1弾である。元々監督だった庵野秀明は総監督に、副監督だった摩砂雪と鶴巻和哉が監督にそれぞれ変わっている。でも、作品制作現場での基本的な立ち位置は変わらないんじゃないかと邪推する。
さてさて、正直なところ、これは既に作品としての評価が定まった観のある作品なのであり、何十年も経ってから新技術と新スタッフ、新キャストで、というのならまあ分かるにしても、この時期に、敢えてほとんど同じスタッフとキャストで、大部分を新たに描き直す(ただしそれは『破』以降の話で、『序』についてはそれほどでもない。)とは言っても基本的には2次元絵アニメーションでリメイクするのもどうなのか、と思っていたところもある。
でも、いやいやそれがそうではないのだ、ということは周囲から聞かされていたし、『劇場版:破』を観てしまっている今となっては実際にそうではないことは既に分かっている。そうそう、『破』が兎に角凄いのである。そして、そこに進むための予備作業として、これは観ておく必要があるのだ。
物語としては、TV版の第壱話から第六話までを包摂する。使徒のナンバリングが一つずつ繰り下げられて、第2の使徒としてリリスがセントラルドグマにいることをネルフの職員が最初から知っている、という設定になっているところは非常に重要な変更点である。他にも大小様々な変更点が多々あるのだが、それは実際に観て確認するか、どこかのまとめサイトを参照して欲しい。
まあ、これはほんの序の口。登場人物の属性や話の展開もここまでのところはTV版とさして変わらない。問題は、次からなのである。以上。(2009/08/25)