COLDPLAY EVERYDAY LIFE
英国のロックバンドであるコールドプレイ(Coldplay)による、8枚目のオリジナル・フル・アルバム。前作から4年。現時点において、今世紀最高のロックバンドであることを否定する人は少ないだろう彼らの音楽は本作で更に深まる。プロデュースはViva la Vida(2008)から組んできたリック・シンプソン(Rik Simpson)など、近作ではおなじみの人たち。SunriseとSunsetという2部構成で、この世界の日常を活写したこの作品は、サンプリングや、サウンド・エフェクトなどが多用された、コンセプト・アルバムにして実にアーティフィシャルなものとなっている。ロック、というジャンルにとどまらず、ジャズやブルーズ、あるいはフォークやカントリィ、果てはクラシック、更には宗教音楽や民族音楽までをも取り込もうとする、恐ろしく貪欲なアルバムなのだが、それでいてキチンとしたコンセプト下でまとめられており、散漫さは微塵も感じられない。意欲的であると同時にまた、非常にチャレンジングな、快作である。以上。(2019/12/20)