George Miller監督作品 Mad Max: Fury Road 2016.04(2015)
1979年にメル・ギブソン(Mel Gibson)主演で公開され、その後絶大な人気を誇ったシリーズの、実に27年の時を経て作られた第4作。監督はオーストラリア出身のジョージ・ミラー(George Miller)が引き続き担当。ワーナー・ブラザース配給のオーストラリア・アメリカ合作、となる。恐ろしく評価の高かった作品で、米国アカデミー賞では10部門にノミネートされ、6部門受賞の快挙を成し遂げた。
核戦争後の荒れ果てた世界。元警官のマックス・ロカタンスキー(トム・ハーディ=Tom Hardy)は、シタデルと呼ばれる、イモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン=Hugh Keays-Byrne)による支配体制が敷かれた砦に捕縛される。一方、ガソリンの取引のためトレーラーを預かったフュリオサ・ジョ・バッサ大隊長(シャーリーズ・セロン=Charlize Theron)は、出産のために砦に「飼われている」女性達をジョーらの目を盗んで連れ出し、自らの出生地「緑の地」への逃避行を開始する。これを知ったジョーによる追跡が始まり、マックスもこれに駆り出されるが、やがて…、というお話。
とりあえず、必見、と言える作品だろう。まずは、CG全盛の昨今、生身の肉体、本物の自動車やバイクを用いた「実演」の物凄さには圧倒される。当代きっての女優シャーリーズ・セロンのここまでやるか、という役作りと演技、全編にわたるフェミニズムへの言及、宮崎駿からの少なからぬ影響等々、語りだしたらきりがないほどの内容を持つ作品で、まさに奇跡のような一本。今のところ、私が選ぶ今世紀の5本くらいには余裕で入るのではないかというほどの傑作である。以上。(2016/07/03)