Alfonso Cuarón監督作品 Gravity 2014.12(2013)
『ハリー・ポッター』シリーズや『トゥモロウ・ワールド』(Children of Men)(2006)などの作品で知られるメキシコの映画監督アルフォンソ・キュアロン(Alfonso Cuarón)による、アカデミー賞7部門制覇のSF映画。出演はほぼサンドラ・ブロック(Sandra Bullock)とジョージ・クルーニー(George Clooney)の二人のみ。
場所は宇宙空間。医療技師のライアン・ストーン(ブロック)と、スペース・ミッションの指揮を執るマット・コワルスキー(クルーニー)は、デブリ事故によってミッションを維持できない状況に陥る。さらには、地球に帰還するためのシャトルをも失ってしまう。生き残りをかけ、無重力下での決死のサヴァイヴァルが始まるが、その結末は…、というお話。
いやー、良く撮ったものだ、というのが第1の感想。相当大きな空間で広げないとああいう感じは出せないのではないか。それとも何か、相当凄い技巧が秘められているのかも知れないが。特撮の出来栄えは、それだけでも見る価値があるほど、それはそれは本当に見事なものである。
だが、そういう、技術面ばかりが突出していて、それに反して物語自体は非常に明快で、ひねりがない、というやや無いものねだり的な批評も当然あることだろう。さりとて、極限状況に追い込まれていく人間描写や、時折挟み込まれる回想シーンのようなところに、それなりに深い人間洞察が含まれていて、技術的に画期的、というだけの映画ではないことも事実なのである。以上。(2015/03/05)