HAIM WOMEN IN MUSIC Pt. III
ロスアンゼルス出身の、エスティ・ハイム(Este Haim ベース+ヴォーカル)、ダニエル・ハイム (Danielle Haim ヴォーカル+ドラムス)、アラナ・ハイム(Alana Haim ギター+ヴォーカル)の三姉妹バンドであるハイム(Haim)によるサード・アルバム。前作Something to Tell You(2017)の大ヒットで勢いもそのままに、更に本作はそれをも飛び越えて既に安定期に入ったかの誠に堂々たる内容。基本的にバンド・スタイルの、とてもオーソドックスな、とさえ言えるアメリカン・ロックないしはポップスを指向している彼らだけれど、そういうアナログでベーシックなサウンドの随所に織り込まれる、独特な雰囲気のコーラスとか打ち込みを含めた電子音が何とも良い味を出している。そのバランスの絶妙なことと言ったら、この上なし。噛めば噛むほど味が出る作品、というのは近年珍しい気もするのだけれど、これなどがまさにそう。いつまでもずっと聴いていけるはずの、そしてまた聴くたびに新たな発見がありそうな、大傑作である。以上。(2020/08/04)