Prince Hit n Run Phase Two
何ということか、デイヴィッド・ボウイ( David Bowie)に続いて、この人までもが逝ってしまうとは…。ニュースを聞いたときはしばらく言葉がなかったほどなのだが、正に急逝(4/21没。享年57歳。)。既に昨年暮れにはネット上のストリーミング・サーヴィスでリリースされていたこのアルバム、日本でのCD発売が今年の4/29なので、その死はこのアルバムの物理版リリースのおよそ1週間前、というタイミングだった。さて、その生前リリースとなった最後のアルバムだが、基本的には連作第1弾である「フェイズ・ワン」と同じ王道ファンク路線。そして、どちらかというと、ロック色が濃いようにも思う。1曲目”Baltimore”なんてのはほとんどカントリーだけれど。ホーン・セクションの多用、エレピや女性コーラス、特徴のあるギターのカッティング、チョッパーもビンビン入れているベース等々、実はあからさまにSteely Danに接近しているのだが、うーん、こういうのもやりたかったんだな〜、とやはり涙。ディジタル・ファンクという領域のパイオニアだったPrinceが最後に到達した地点はかなりアナログなものだった、と総括できるだろうか。個人的には、Scritti Polittiに接近した、このアルバムの中では珍しく電子音がふんだんに使われているラスト曲” Big City”にはこの次の展開が示されているように思うのだが、それを聴くことが永久にできないのがなんとも残念である。以上。(2016/05/20)