Peter Jackson監督作品 The Hobbit: The Battle of the Five Armies 2015.12(2014)
『ロード・オブ・ザ・リング』で知られるニュー・ジーランド出身の映画監督ピーター・ジャクソン(Peter Jackson)が新たに手掛ける、『ロード…』と同じくJ.R.R.トールキン(J.R.R.Tolkien)の原作による『ホビットの冒険』を原作とした長編劇映画3部作の第3弾にして完結編である。
既に書いているけれど、この作品、若き日のビルボ・バギンズ役には英国の俳優マーティン・フリーマン(Martin Freeman)を抜擢。またやはり主役の一人トーリン・オーケンシールド役にも英国のリチャード・アーミティッジ(Richard Armitage)を起用。加えて、『ロード…』出演者のイアン・マッケラン(Ian McKellen)、ヒューゴ・ウィーヴィング(Hugo Weaving)、ケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)、オーランド・ブルーム(Orlando Bloom)らを再び招集した、豪華絢爛たる超大作となっている。
エスガロスを襲ったスマウグを討ち取り、バルドは町の人々とともにエレボールへと避難する。一方、ドワーフの秘宝である「アーケン石」を奪回したビルボだったが、龍の毒にむしばまれ、黄金への欲にかられたトーリンに、石を渡すことができないでいた。そんな中、オークの軍団がエスガロスに向かっているという知らせが届く。ドワーフとエルフの対立、そしてまた闇の軍勢の来襲、といった事態が勃発し、物語はいよいよ佳境へ。ビルボとその仲間たち、トーリン、そしてまたエスガロスの人々の運命はいかに。ドワーフの王国再興を賭けた、ホビット族のビルボとその仲間たちの冒険の物語が、ここに完結する。
2時間半ほどの長い作品だが、次から次へと色々な事態が発生して、実にハラハラドキドキな展開なため、全く飽きることはない。勇気、友情、そして愛といった、普遍的なテーマをちりばめた、まさに王道な、そしてまた非常に優れたエンターテインメント作品に仕上がっている。3部作の締めくくりにふさわしい、見事な作品である。
さて、ついにこの3部作も完結となったわけだが、企画としてはあらゆる面において大成功、ということになるのだろう。それもこれも、この壮大なプロダクトを動かした人々、凄腕なスタッフ陣、傑出した役者たちの総力によるものなのだと思う。かの3部作からさほどの時間を経ないうちに再び打ち立てられた、偉大な金字塔である。以上。(2016/02/03)