イングランドのロック・バンドであるブロック・パーティ(Bloc Party.)の約2年ぶりとなる通算3枚目。ディジタル・ロックへの指向は前作にも顕著だったけれど、今回はそれを更に進めつつ、オーソドックスなバンド・サウンドへの回帰もかいま見せる、というような趣向。端正な、という言葉がふさわしいだろうか、良く言われるように複雑ではあるのだがそれでもなお良く整理されたリズム群の中に、ケレ・オケレケ(Kele Okereke)の適度に抑制されてはいても基本的には激しいヴォーカル&ギターが炸裂する、一応ミクスチャ・ロックの流れの中に位置づけて良いのだろう傑作である。ちなみに、とりわけ第9曲"Talons"が素晴らしいのでこれだけでも聴いて欲しい。以下、蛇足っぽくなる事柄を。前から思っていたのだが、このバンド、案外ザ・キュア(The Cure)の影響が濃いような気がしている。この点については、例えば11曲目"Ion Square"などを聴くと良く分かると思う。影響関係ついでに言っておくと、第1曲"ARES"はザ・ケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)の、第2曲"Mercury"はザ・プロディジィ(The Prodigy)のそれぞれ圧倒的な影響下にある。以上。(2008/12/29) |