RADIOHEAD THE KING OF LIMBS
英国のロックバンドであるRADIOHEADによる通算8枚目のオリジナル・フル・アルバム。今回もダウンロード出来たようなのだが私はCDを購入。1曲目の""Bloom"で、そのリズム・トラックの危うさにおののきつつ、トム・ヨークのヴォーカルが入り始めて、ああ、やっぱりRADIOHEADだな、と何となく納得する。この曲などは完全にクラブ系だと思うのだが、リズムは結構変則的。2曲目"Morning Mr Magpie"では更に変則的なリズムに移行。ついでに言うとテンポはここまでは基本的に速め。こういうのってこの人達にしては珍しいんじゃ、などと思いつつ第3曲"Little By Little"へ。これもやや変則ビートだけど、ギターのリフとヴォーカルの絡み具合が非常にRADIOHEAD的とも言えるだろう。4曲目"Feral"で、このアルバムの特徴である高速変則系エレクトロニカに戻り、そして第5曲"Lotus Flower"。これ、やっぱり変則的でやや速めのビートが基調になっているけれど、トム・ヨークのヴォーカルが非常に美しい名曲。これがこのアルバムの核なのだと思う。6曲目"Codex"はがらっと雰囲気が変わってバラード。この辺で作風が一変する。第7曲"Give Up The Ghost"なんてのは1970年代のプログレ(Yesとかその辺)のB面収録曲なテイスト。そしてラストの第8曲"Separator"は非常に真っ当、とも言うべき端正で静かな8ビートのエレクトロ・ポップ。うーん、こうやって概観してみると、確かに優れた作品だと思うのだが、かつての作品に存在したような、思わず歌いたくなるような、そんな曲が存在しないのがちょっと寂しい。でも、確かにバンドとしての存在感は圧倒的で、2010年代という時代にまた一つの足跡を残したのではないか、と思う次第である。以上。(2011/07/04)