Sarah McLachlan LAWS OF ILLUSION
天才シンガー・ソング・ライタであるサラ・マクラクラン(Sarah McLachlan)が7年ぶりに出したオリジナル・フル・アルバム。離婚やらなにやらあったようだけれど、そのおかげでかサウンドがクリアになったような気がしたりもする。ドラミングとギターの入れ方に特徴があって、多分そのせいで全体的に幾分ロック色、ポップス色が濃くなっている気がするのだけれど、基本的にはこの人らしいバラードを基調とする、それでいて結構緩急自在な内容。今作、曲間のメリハリが非常に良いと思う。相変わらず世界一歌はうまいし(笑)、各々の楽曲も本当に良い。誠に、大変な才能だと思う。以下、印象の強い楽曲を。1曲目の"Awakings"はこのアルバムの白眉。いかにもトータル・ソング、という感じの曲。第3曲"Loving You is Easy"はこの人には珍しい超軽快なポップ・ソング。新機軸、と考えたい。1stアルバムっぽい雰囲気の第5曲"Love Come"は彼女の原点回帰だろう。これは名曲だと思う。輸入盤の最後に入っているピアノ・ヴァージョンも素晴らしい。美しいコーラスを聴かせてくれる実質的なラスト曲"Bring on The Wonder"では、この人なら一人でアカペラ・アルバムを絶対作れる、という思いを強くした次第。他にも優れた楽曲満載。さすがに7年も待たせただけのことはある、超ハイ・クォリティかつゴージャス極まりない作品である。以上。(2010/09/30)