Lana Wachowski監督作品 『The Matrix Resurrections』
世紀の切り替え辺りに作られた、その後の文化のありように大きな影響を及ぼしてきた『マトリックス』シリーズの第4弾にして18年振りの最新作。監督はラナ・ウォシャウスキー(Lana Wachowski)が務めている。娘?、と思ったのだが、調べて仰天。そんなことになっていたのか。
トーマス・A・アンダーソン(キアヌ・リーヴス=Keanu Reeves)は伝説的なゲーム・デザイナ。かつて大ヒットした『マトリックス』3部作をデザインし、今はデウス・マキナという会社で『バイナリ』というゲームの開発に関わっている。時々起こる奇妙なフラッシュバックに悩まされ、セラピストから青い錠剤を大量に処方されている彼に、ある日メッセージが届く。「真実を知る覚悟はあるか?」と。
えっ、まさかの焼き直し?、とか、今時「救出劇」ってロッシーニのオペラかよ(ロッシーニのオペラは素晴らしいけど。)、とも思ったのだが、賛否両論は覚悟のうえ、なのだろう。思うに、この段階で評価することにあまり意味はない。我々は既に、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』というとんでもない傑作の存在を知っているのだから。
序盤のメタな展開とか、その辺が面白かったので、ここから先はそういうところが膨らんでいくことを期待してしまう。このまま同じ世界観で進むことは、このクリエータの作品なら多分ないと思っている。続編が待ち遠し。
蛇足ながら、3部作で名をあげたローレンス・フィッシュバーン(Laurence Fishburne)とヒューゴ・ウィーヴィング(Hugo Weaving)の二人が出ていないのがやや寂しかったのだが、きっと何か意味があるに違いない、などと勝手に想像しておこう。たぶん、スケジュールとか予算の都合なんだろうけど。以上。(2021/12/19)