Brad Bird監督作品 Mission: Impossible - Ghost Protocol 2012.05(2011)
こちらも第4作となった、トム・クルーズ(Tom Cruise)がイーサン・ハントを演じる『ミッション:インポッシブル』シリーズのの最新作である。監督はアニメーション映画で知られるブラッド・バード(Brad Bird)が担当。外連味たっぷりの見事な演出を行なっている。資金集めからキャスティングや監督をはじめとするスタッフ起用等々といった色々なことがうまくいったことが良く分かる出来栄えで、興行収入もシリーズ最高となった模様。
ストーリーはかなり複雑なのだが、かいつまんで。「コバルト」という謎の人物を追うイーサン・ハントは、クレムリン爆破事件に巻き込まれ、さらには首謀者とされ身柄を拘束されてしまう。辛くも脱出したハントだったが、米大統領は爆破事件への国家としての関与を否定すべく「ゴースト・プロトコル」を発令し、ハントが所属する極秘諜報機関IMFは「存在しないもの」、とされてしまう。後ろ盾を失ったイーサン・チームは、果たして限られた人的・物的資源を用いてコバルトの正体を突き止め、国際的な謀略を食い止めることができるのか、というお話。
時間をかけて良く練られたプロット構成には舌を巻く。舞台がブダペスト、モスクワ、ドバイ、ムンバイなどなど、といったように極めて多様な風土と政治体制を持つ場所にわたるのだけれど、全て現地ロケを敢行しているわけで、それを行なう労力たるや実に大変だったのではないかと想像する。プロデューサ、そしてまたクリエータ、アクタ達の底力を見せつけた、ほぼ完全無欠のエンターテインメント映画である。以上。(2012/08/14)