Orbital Monsters Exist
昨夏のSONICMANIAにも登場した英国の老舗テクノ兄弟であるオービタル(Orbital)による、約6年振り通算9作目のオリジナル・アルバムである。実は2014年に再解散したそうなのだが、昨年そんな具合に現場復帰。要するに、活動してる期間と、そうじゃない期間があるだけで、解散ということでもないのかも知れないが…。それは兎も角、今回はサウンド的にかなり変わったな、という印象を受ける。彼らのサウンドの特徴だった、羽毛布団のような軽さというか、そよ風のような優しさが希薄になって、全体的に重厚複雑化、そしてホーンとかギターとか、アナログな感じの楽器音が増殖し、肝心かなめのドラムを含めたリズム・セクションにしても、生楽器ではないはずだがかなりそんな感じの音がしている。そして、主旋律系やオブリガード系を奏でる電子音のエッジがきつくなって、メロディアスというよりはパーカッスィヴな使い方が目立つようになったかな、と。要するに、かなりギラギラ、メラメラ。まあ、聞いて貰わないことには何のことやら全く分からない、だろうとは思うが、一応ざっと書くとそんな感じ。既に電子音楽業界において大きな仕事をたくさん成し遂げてきた彼らが、また新たな領域に踏み込んだ、とも言い得る傑作である。以上。(2018/11/26)