RADIOHEAD A Moon Shaped Pool
英国のロック・バンドであるレイディオヘッド(Radiohead)による、通算9枚目となるオリジナル・アルバム。ロック・バンドと書いてはいるものの、随分前からどう考えてもロックじゃないところ、すなわちアンビエントやエレクトロニカといった路線にまで手を伸ばしていて、本作などもまさにそういう方向性を一層推し進めたような内容になっている。プロデューサは彼ら自身と、彼らの盟友ともいえるナイジェル・ゴルドリッチ(Nigel Godrich)による。近年の仕事として、スティーヴ・ライヒ(Steve Reich)とのコラボレーションのようなものもあったけれど、かなりクラシックに傾倒した、とも言える作品で、時折挟み込まれるロンドン・コンテンポラリー・オーケストラ&クワイアによるストリングスとコーラスが大変美しい。冒頭のシングルカット2曲”Burn the Witch”、”Daydreaming”を聴けば、上に書いたような本作の特徴が概ねお分かりいただけると思う。実験性と深い思索性に満ちた快作、と述べておきたい。以上。(2016/06/20)