Primal Scream More Light
ボビー・ギレスピー(Bobby Gillespie)率いる英国のバンド、プライマル・スクリーム(Primal Scream)による、通算10枚目のオリジナル・アルバム。プロデュースはデイヴィッド・ホームズ(David Holmes)が担当し、ゲストとして何とロバート・プラント(Robert Plant)がバッキング・ヴォーカルとして参加。約5年のブランクを経て完成したこの作品、ほぼ70分という、アナログ時代だったら2枚組のヴォリュームを持つ大作となった。サウンド志向としては、基本的にロック。1990年代前半くらいの、まだデジタルにはいかないサイケデリックなテイストを再現しつつ、新たにバンドサウンドによるオーケストレーションともいうべき、壮大な試みが行なわれている。相変わらずの探求心には頭が下がる次第。冒頭の長大な先行シングル曲”2013”、いかにも彼ららしいとも言える第4曲”Hit Void”や第6曲”Invisible City”(これがとりあえずお気に入り)、ラストの何とも前向きな第13曲”It's Alright, It's OK”等々、時にヘヴィ、時にポップな、結成から30年の重みを感じさせつつ、全くそれだけにはとどまらない傑作である。以上。(2013/05/23)