New Order Music Complete
マンチェスタ発祥のバンド、ニュー・オーダー(New Order)による、解散と再結成を経て、Waiting for the Sirens' Call以来実に10年振りとなるオリジナル・アルバムである。プロデューサとしては、New Order自身、前作にも加わっていたスチュアート・プライス(Stuart Price)、そして、なんとThe Chemical Brothersのトム・ローランズ(Tom Rowlands)が名前に上がっている。サウンド的には完全無欠のアルバムだと思う前作の基本的にポップなテクノ・ロック・テイストを継承。肉声はもとより、ギターやピアノ、あるいはドラムやベースといった、演奏して鳴らしている楽器系の音をより表に出すように全体が調整されているように感じられる。とにかく、リズム系を中心としたトラックの整理のされ方が尋常ではなく、これもまた完成度の点で前作に引けを取らない作品に仕上がっている。どの曲も実に良く出来ているのだが、中でも先行シングルの第1曲”Restless”、原点回帰にしてケミカル・テイスト満載の第2曲”Singularity”、イギー・ポップ(Iggy Pop)をフィーチュアした第6曲”Stray Dog”、ブランドン・フラワーズ(Brandon Flowers)をフィーチュアしたラストの”Superheated”などは必聴とも言えるアイテムである。以上。(2015/11/10)