The Chemical Brothers No Geography
マンチェスター出身のエレクトロニック・デュオであるザ・ケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)による、通算9枚目となるオリジナル・アルバムである。前作からかれこれ4年振り。とは言え、その間にも新音源その他は出ていたので、余りブランクという感じではない。その今作、ヴォーカル、というよりは掛け声とか掛け合いのようなトラックが頻繁に出てくるな、という印象。こういうの、なんて言うんだろう?Tom Tom Clubとかその辺が似たようなことをやっていたような気もするが…。シングル・カットは今のところ4曲あるが、それ以外にも良音源多々。全体的にある意味とてもシンプルな音作りでまとまった作品だけれど、一つ一つの音の選び方などは、さすがに考え抜かれているというか、この人たちにしかできない名人芸、といったところ。世紀を跨いでディジタル・ロック界を牽引してきた彼らだけれど、その健在ぶりを感じさせる、快作である。以上。(2019/05/26)