Joseph Kosinski監督作品 Oblivion 2014.04(2013)
その初監督作『トロン・レガシー』(Tron: Legacy)(2010)がまだ記憶に新しい若手映画監督ジョセフ・コシンスキー(Joseph Kosinski なにか「小錦」に似ているような…)による、トム・クルーズ(Tom Cruise)を主役とするSFアクション大作である。出演は他にオルガ・キュリレンコ(Olga Kurylenko)、アンドレア・ライズボロー(Andrea Riseborough)、モーガン・フリーマン(Morgan Freeman)など。
時は西暦2077年。異星人スカヴによる侵略を経て、人々は核汚染されてしまった地球を捨て、タイタンへの移住を余儀なくされる状況に陥っていた。ジャック・ハーパー(クルーズ)とヴィクトリア・オルセン(ライズボロー)は、地球上に残ったたった二人の人間となり、上空1,000mに浮かぶ監視台から、スカヴの残党を見張る、という任務についていた。
そんなある日、ジャックはパトロール中に宇宙船の墜落を目撃。その残骸から謎の女性ジュリア・ルサコーヴァ(キュリレンコ)を救出するが、それもつかの間、ジャックはスカヴにとらえられてしまう。ジュリア、あるいはスカヴの正体は、そしてまたジャックの運命は、というお話。
シリーズものではない単品なのだけれど、要するに「トム・クルーズ」もの。まあ、死なない。何をやっても死なない。結構けがはするけれど。それはともかく、実に良く出来たお話で、ご都合主義なところは否めないとは言え、大いに楽しめた次第。
確かに、どこかで見たような、という感じは終始付きまとうけれど、そこを微妙にはぐらかしていく、というかなんというか。要は古今東西のありとあらゆる文物を、原典が何だったかすぐには思い出せないように小出し小出しにしてうまくアレンジしている、ということになるのだろうか。まさに「オブリヴィオン」。その辺に、この監督ひいては製作者たちの極めて高い企画力やプロダクション遂行能力を感じた次第である。以上。(2014/07/30)